肝臓の数値で分かること

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仕事をしている方なら年一回、仕事をしていなくても、健康に留意している人ならこまめに健康診断を行なっていることと思います。

健康診断では身長や体重などの外見的な検査も多いですが、身体内部の異常を確認するために、血液検査を行なうことが多いです。

血液検査で分かることは、赤血球や白血球、血小板などの血液の成分の状態や、肝臓、腎臓などの血液循環に関係する臓器の健康状態を知る事ができます。採血の結果は数値化されて検査を受けた人に報告されます。

ほとんどの人が数値を見るのではなく、異常があるかないかで一喜一憂することと思いますが、どの数値が何を表していて、その数値が正常範囲以外であればどのような状況が考えられるのかを知っている人は少ないと思います。

ここではダメージを食らっていてもなかなか悲鳴を上げることがないといわれる沈黙の臓器、肝臓の結果を示す血液検査の数値がどのような状態を意味しているかについて紹介します。

血液検査で分かる数値と正常基準値

血液検査を行なうと肝臓の状態がある程度分かります。それは、肝臓には肝細胞や胆管細胞があり、それに接するように血管が通っています。

そのためこれらの細胞が何らかのダメージを受けると、肝臓内の物質が血液中にもれ出てくるため、漏れでた成分の種類や数値を分析することで肝臓の状態を知る事ができるのです。

ALT(GPT)は主に肝細胞内で作られる酵素で、体内でアミノ酸を代謝したり、エネルギーを代謝させる過程の中で重要な働きをしています。

AST(GOT)は細胞の中で主に作られる酵素の一つで、肝細胞や腎臓、心臓など体に重要な臓器に多く存在しています。体内でアミノ酸やエネルギー代謝に大きく関与しています。AST(GOT)は肝細胞以外にも含まれているため、この数値だけでは肝臓が状態がよくないのか、心臓や腎臓が調子が悪いのか判別が付きにくいため、ALT(GPT)も同時にチェックする事が大切です。

γ-GPTは肝臓や腎臓内で作られる酵素です。タンパク質の合成や分解の働きに携わっていて、肝臓では肝細胞や胆管細胞、胆汁の中にも存在します。お酒を飲みすぎたり薬の飲みすぎなどで肝臓の働きに負担がかかると、γ-GTPがたくさん作られ血中漏れ出して数値が上がります。また、何らかの異常で肝機能が低下した場合などに胆汁がうっ滞などが起こると、血中にγ-GTPが流れ出すため、γ-GTPの数値が増えることとなります。

ALPは肝臓や腎臓をはじめとして、体の様々な細胞で生成される酵素です。乳製品やレバーなどに多く含まれているリン酸化合物を分解する働きを行な、肝臓内では毛細胆管膜や胆汁内に多く存在しています。肝機能障害などにより胆汁うっ滞が起きると、ALが血液中に漏れ出すため数値が上昇します。きわめてまれな疾患でなかなか見つけにくい原発性胆汁性肝硬変を見つけるときにも役立ちます。

総ビリルビンは通常は血液中に微量しか混じっていません。しかし、ビリルビンは肝臓で処理される前のものを非抱合型ビリルビン、処理後のものを抱合型ビリルビンと呼び、胆汁うっ滞や過剰に赤血球が破壊された場合、また、生まれつき非抱合型ビリルビンを抱合する酵素が少ない人は数値が上がる傾向があります。

総たんぱくは血液中に存在する全てのタンパク質を指しますが、その中の約7割を示すのがアルブミンです。アルブミンは肝臓内だけで作られ、血中の様々な物質を運んだり、体液濃度を調整する働きがあります。何らかの原因で肝臓内でアルブミンを作る能力が低下すると、血中のアルブミンの数値も低下します。そして総たんぱくの数値も低下するのです。

出血したとき止血する役割をしている血小板は、肝臓の機能とはかかわりのないように感じられますが、血小板を作るためには肝臓も大きな役割を果たしています。肝炎や肝硬変などで肝臓の繊維物質が増え、血小板の数が減り、数値が低下します。

LD(LDH)は肝臓を胚芽として、体の色々な場所で作られる酵素です。肝臓内では肝細胞に多く存在し、糖質の代謝に大きく関わっています。LD(LDH)は肝細胞が破壊されることで血液中に流れ込む成分のため、この数値は肝臓の状態を示す上で非常に重要な数値となります。

コリンエステラーゼは肝細胞だけで作られている酵素で、血液の流れに乗って体中に存在します。そのため適量の基準値より高くても低くても、肝臓の機能の働きが良くないことを示しています。

HBs抗原・抗体、HBe抗原・抗体は今現在肝炎(B型)に感染しているかどうか、感染しているのであればどの程度なのかを判定するのに検査が行なわれます。どの抗原や抗体も陰性であれば、過去や現在B型肝炎にかかっている可能性はなくなります。HBs抗原が陽性だった場合、現在B型肝炎にかかっている化膿性が高くなるのでHBe抗原や抗体の結果によってかかっているB型肝炎の強さの度合いを判定します。

C型肝炎ウィルス検査では、過去や現在にC型肝炎にかかったもしくはかかっているかどうかの検査です。この検査が陰性であれば心配はないのですが、陽性の場合は過去、または現在にかかった、またはかかっているということになります。

数値で分かる病気

血液検査を行なうと、検査結果には山のような英語の表記や数字が並んでいます。調べる検査内容によっても異なりますが、基本的な検査では血液内の成分の状態を知る他、肝臓や腎臓など様々な身体の部分の状態を知る事ができます。

特に腎臓や肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、多少のダメージくらいでは体に症状が現れないことが多いです。逆に言えば、肝臓機能が低下して、体に症状が現れるときには既に症状が進んでしまっているときがあります。

肝臓や腎臓の機能低下や病気を、症状が出てくる前に見つけるためには定期的に採血検査を行なって、自分の血液の状態をチェックしておく他、検査結果の説明を医師に聞いて判断するだけでなく、自分自身で血液検査の項目と正常基準値、基準値から外れてしまった場合、どのような状態と考えられるのかを自分でも良く知っておくことが大切です。

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血液検査で分かる肝臓の状態

B型肝炎やC型肝炎の検査は、元々肝炎で治療中の状態を確かめるために行なわれることがあります。しかし、治療を受けていない人が調べる場合は特別に検査をお願いすることとなります。そのほかの肝臓に関する検査項目は通常の採血検査で行なわれる項目です。

AST(GOT)は基準値が30IU/Lとなっています。この数値を超えると、肝細胞が何らかの原因で障害を受けている化膿性が高くなりますが、ASTは肝細胞のみならず、腎臓や心臓にも分布している成分であるため、より肝細胞が障害を受けているのかどうかはALT(GPT)もチェックします。ALTも基準値の30IU/Lを超えていれば、肝細胞が障害を受けていることになるため、どちらの数値も高ければ早めに受診してください。

γ-GTPは飲酒や薬、肥満などで数値が上がることもありますが、基準値の上限50IU/Lを超えると、肝機能に異常があることを示しています。何度検査しても基準値を超えてしまう、肥満や飲酒、長期服薬などγ-GTPが増える要素が何もないと言う人は何らかの原因で肝臓が弱っている証拠ですので注意してください。

ALPは100~325IU/Lとなっていますが、肝障害や原発性胆汁性肝硬変などで数値が高くなることがあります。また、子供や骨の病気などでも数値が高くなることがあるため、ALPの数値が高い場合は骨に異常がないかも調べてもらいましょう。

総ビリルビンの基準値は0.2~1.2mg/dLですが、この数値を超えている場合には、肝臓や胆管に病気が隠れている危険があります。また過剰に赤血球が破壊された時にも数値が上がるため、何が原因で数値が上がっているのかを確かめる必要があります。

総たんぱくは6.7~8.3g/dL、アルブミンは3.8~5.3g/dLとなっていますが、何らかの原因で肝機能が低下したり、肝硬変が進行した場合などは数値が大幅に下がります。

血小板は肝臓の検査とは関係のないイメージがありますが、実は肝臓の状態を調べるのにも用いられます。基準値は14万~34万ですが、肝臓の血流が衰えたり、肝炎や肝硬変などで肝臓の繊維化が進むと血小板の数値が下がることがあります。血小板の低下は血液の病気で起こることもあるため、他の検査項目と照らし合わせながら慎重に治療する必要があります。

LD(LDH)は肝細胞が破壊されたとき初めて血中に漏れ出す成分で、肝臓が障害を受ける度合いが高まると数値もどんどん上昇していきます。基準値は120~240IU/Lですが、240を超えたらなるべく早めに病院で診察を受けることをお勧めします。

コリンエステラーゼは肝細胞だけで作られている酵素で、一定量血液中に存在しています。その基準地は男性で234~493IU/L、女性が200~452IU/Lといわれています。しかし何らかの原因で肝臓の機能が低下すると、肝臓がコリンエステラーゼを作る機能も低下してしまうため、数値が基準値以下に下がってしまいます。また、栄養を取りすぎると脂肪が肝臓に付着し脂肪肝を引き起こしますが、脂肪肝などになるとコリンエステラーゼが大量に生産されるため逆に数値が基準値異常に上がってしまいます。

数値を正常範囲に戻す方法

何となく調子が悪くて病院を受診したら血液検査をされた、年に一回健康診断を受けている、多くの人が血液検査を経験したことがあるはずです。血液は人間の体の中をくまなく循環している液体のため、血液中の様々な成分を調べることで身体 […]

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